●朝の散策
早いもので、今日はもう湖水地方を離れなければならない。朝一番にウィンダミアのインフォメーション・センターへ行き、
友人や親戚の子どもたちのおみやげにハーディー（ハードウィック種の羊をモチーフにしたキャラクター）のグッズを購入。
ちょうどインフォメーションを出たとき、前をかわいい汽車が通った。こういうものにも乗ったりして、もっとここで遊びたかったな。
でも、涙をのんで出発。ところが、高速道路へ出るまでの道で一苦労。湖水地方の道はとにかくアップダウンが激しく、上り坂では
向こうから来る車が見えないほど。坂のてっぺんで急に対向車が現れるので怖い。カーブも多いのに、コーナー・ミラーがない。
それでもみんな平気でビュンビュン飛ばしているので、なぜかと思ったら、このあたりの道は法定速度が80キロだった！
ジェットコースターに乗っている気分で手に汗握りながら、なんとか高速に乗って、次の目的地、チェスターへ。
●チェスター
チェスターは、城壁に囲まれ、大聖堂があるという点で、ヨークと似た町。でも、チェスターのほうが中世の面影を色濃く残して
いるように思う。ハーフ・ティンバーの白黒の建物がずらりと並んださまは実に壮観だった。この町のシンボル的存在である
イーストゲートの時計台は、ヴィクトリア女王即位60年を記念して作られたもので、その年号が入っている。その周辺は
ザ・ロウズと呼ばれる商店街になっていて、2階のバルコニー部分が回廊状につながった造りがおもしろい。ちょうどこのときは
サマー・セールの時期で、大勢のお客でにぎわっていた。もっとひなびた町を想像していた私は、ちょっとびっくりだった。
私がチェスターに来たかった理由は、初めて翻訳したハーレクインの本に、この町が登場したから。ヒーローとヒロインがイギリス
国内を旅行して回り、途中で立ち寄ったチェスターでヒーローがこっそり結婚指輪を買って、あとでヒロインにプレゼントするという
シーンがロマンチックで、私もいつかチェスターに行くことがあったら、ザ・ロウズの宝石店を探してみたいとずっと思っていた。
左下の写真は、それらしき店！ ここで主人が指輪を買ってくれればうれしかったけれど、そううまくはいきませんね＾＾。
右下の写真は、宝石店の前の広場、クロス。正午になると、おふれ役人が鐘を振りながら布告を叫ぶという儀式がここで行われる。
●ストーク・オン・トレント
チェスターでは駐車券をなくしてしまい、罰金を取られると青くなっていたら、車の横に落としていたのを発見。ほっとして、
次の目的地、ストーク・オン・トレントを目ざす。ここにはウェッジウッドやミントンなどの陶器メーカーの工場や博物館が集まっている。
前に一度来たときは、大きな煙突が印象的で、それをまた見たいと思ってやってきた。前のときはロンドンから電車で日帰り
だったので、あわただしかったが、今回は車なので比較的ゆっくりできた。しかし、イギリスの陶器産業は不況のまっただ中で、
ウェッジウッドもスポードも少し前に破綻したばかり。スポードのビジター・センターは（その日たまたまだったかもしれないが）
閉まっており、ウェッジウッドのファクトリー・ショップは開いていたが、なんとなく活気がなかった。両社とも早く立ち直ってくれると
いいのだけれど。左下の写真は、奥行きの深い民家が京都のうなぎの寝床のようでおもしろいので、撮ったもの。
●チッピング・カムデン
今度はストーク・オン・トレントからコッツウォルズのチッピング・カムデンへ移動。途中、バーミンガムを通過するときに、カーナビが
私たちの予想とは違う道を示すので、なぜかと思っていたら、どうやらもとの道は大渋滞の模様。バーミンガムは工業地帯なので、
平日の夕方は混むらしい。カーナビがなかったらどうなっていたかと、また冷や汗だった。無事に目的地へ着き、今夜の宿の
チャリングワース・マナーへ。敷地内へ車を入れたものの、思っていた建物となんだか違うなと思っていたら、裏口から入っていた。
こういうところは初めてなので、どうも勝手がわからない。フロントへ行くと、執事のようにダンディーなおじさまが案内してくれて
超緊張。やっぱり私たちには安ホテルのほうが似合っているかなと思いつつ、案内された"Warwick"という名の部屋に入った。
中はメゾネット風になっていて、ベッドは特大、紅茶のティーバッグも宝石箱のような箱に入っていて、さすがマナーハウスと
感動させられた。置かれている家具も、どれも持って帰りたいほどすばらしかった。
今日の夕食は、ここのダイニングルームのディナー。リンデス・ハウと同様、ここもドレスコードがあったので、ちょっとだけ
おめかしをして行った。前菜のメニューにduck liverとあったので、フォアグラかと思って選んだら、いわゆる「レバー」だったので
笑ってしまった。メインも選べるようになっていて、私はチキン（写真左）、主人はサーモン（写真中）を。このチキン、鶏特有の
くさみがまったくなく、柔らかくて、今まで食べたチキンの中でいちばんおいしかった。自家製パンもびっくりするほどおいしく、
お代わりをしたほどだった。食後のデザートはラウンジ（写真右）でいただけるようになっている。自家製のチョコレートがいくつか
出されたが、これはちょっと甘すぎて。でも、フレーバー・ティーはとてもおいしかった。
●本日の戦利品
左は、自分用のハーディー・グッズ。このヒツジさんの表情がなんとも言えずかわいくて。ハーディー・グッズを大量に買ったら、
エコバッグを無料プレゼントしてくれた。ジュートのものが一つ欲しかったので、ちょうどよかった。その代わり、店員さんの計算
間違いで、キーホルダー1個分よけいにお金を取られていたので損得ゼロかな。チェスターではバーゲンでちゃっかり靴を買った。
なんといってもクラークスは、外反母趾の私にははきやすくて愛用しているので（と、言い訳）。
チェスター〜ストーク・オン・トレント〜チッピング・カムデン
