●出発
2009年7月13日、成田からロンドン・ヒースロー空港へ向けて出発。関西空港から直行便がなくなり、成田前泊となったのが
痛かったが、ちょうどサー・チャージもなくポンドも下がっている時期だったので、あまり損をした気にならずにすんだ＾＾。
初めて乗ったヴァージン・アトランティック航空のプレミアム・エコノミーは、専用キャビンなので静か。座席もゆったりで快適だった。
食事もおいしく、4種類から選べるのがうれしい。テレビ・モニターも各座席についているので、映画を3本も観られて退屈しなかった。
また、座席下にPC用コンセントがあり、専用ACアダプターも貸してくれるので、調べ物などができて助かった。
ヒースローに夕刻到着し、AVISレンタカーのカウンターへ。イギリスでドライブは初めて、レンタカーそのものを利用するのも初めてで
ドキドキしたが、手続きはとてもスムーズ。予約してあったカーナビも無事に借りられた（予約していても、当日在庫切れということが
よくあるらしい）。AVISのバスで駐車場へ行き、車をピックアップ。「外車」を期待していたら日産ノートだったので、ちょっとがっかり。
気を取り直して出発したものの、空港の外へ出るまでの道が複雑。カーナビがなかったらどうなっていたことかと冷や汗ものだった。
今日の目的地はノッティンガム。明日は朝からシェフィールドを観光したいので、今日はできるだけ北まで行っておこうということで
ノッティンガムになったのだ。いったん高速道路に入ってしまうと、とても走りやすく、途中休憩を1度取っただけで、予定どおり
暗くなるまでに目的地に着けた−−といっても、この時期は夜9時ごろまで明るいのだけれど。
●ノッティンガム
市街地に入ってから今夜の宿のヒルトン・ノッティンガムまで道に迷い、さらにホテルで荷物を降ろしてから向かいの駐車場へ
行くのにまた迷い。ポーターのおじさんが道順を丁寧に説明してくれたのだけれど、一方通行が多くて、なかなか思うように行けず。
ようやくホテルへ戻ったときには、そのおじさんはもう帰ってしまっていて、チップを渡しそびれ、悪いことをしてしまった……。
ホテルは、ヒルトンといえどもそこはイギリス、床はミシミシ鳴るし、テレビのリモコンはないし。でも、廊下などのインテリアは
かわいらしく、映画に出てくるような雰囲気で気に入った。
夕食はこの町の有名パブで取るつもりだったが、この時間ではもう食事を出してくれるパブはなく、近くのカジュアル・レストランの
ハンバーガーですませた。ナイフでもなかなか切れないほどバンズが硬く、付け合わせは山盛りのフライドポテトだったが、これでこそ
イギリスとうれしくなった。その帰りにノッティンガム城までぶらぶらと散歩。でも、夜の城は真っ暗で不気味！ この町のシンボルの
ロビン・フッド像を写真に撮って、そそくさと帰った。城の近くにはレース・センターの古い趣のある建物が。きっとこの中には、名産品の
ノッティンガム・レースがたくさん展示・販売されているんだろうな。見てみたかった（買いたかった）……。
●シェフィールド
今日は憧れのシェフィールドへ。まずはホテルの朝食バイキングで腹ごしらえ。フル・イングリッシュ・ブレックファーストも
食べられるような品ぞろえになっていて大満足だった。シェフィールドまでの道のりはまたスムーズで、チャッツワース・ハウスの
開館前に着くことができた。デヴォンシャー公爵家の住まいであるここは、数々の映画のロケ地にも使われていることで有名。
私の好きな『プライドと偏見』ではダーシーの屋敷として登場していたことから、一度訪れてみたいと憧れていたのだった。
入場の際、パスポートも入った財布を車のシートに置き忘れてきたことに気づき、大あわてで駐車場に走るというハプニングが
ありながらも、カスケード（階段状の滝）のてっぺんに一番乗り。水が流れ始めるところを見られたし、誰も来ないうちに写真が撮れて
よかった。イギリス人の親切なおばさんに出会い、その人にいろいろと案内してもらいながら広大な庭園を散策して、屋敷の裏手に
出ると、オブジェ風のベンチなどがまた目を楽しませてくれた。
このあと、いよいよ屋敷の中を見学。中は豪華絢爛で、とくに、壁や天井に描かれた絵には圧倒された。左の写真は、儀式用
応接間の天井に描かれた絵。彫刻の間や音楽室、中庭、大食堂などは『プライドと偏見』で見た記憶があり、今にもダーシーが
そこに出てきそうでワクワクした。内部が暗くて、あまりいい写真が撮れなかったのが残念。あと、屋敷のまわりにはヒツジさんの
「落とし物」がいっぱいあるので、靴の裏が大変なことに……。次回は裏がフラットな靴をはいていかなければ。
●ヨーク
午後からはヨークへ。ヨークと聞いて思い浮かべるものはたくさんあるけれど、とくに、「城壁に囲まれた町」というものを一度
見てみたかったのだ。城壁の外のパーキングに車を置いて、ミックルゲート・バー（城門）から中へ。そのあと、城壁の上を
ヨーク大聖堂に向かって歩いた。城壁のすぐそばに普通の町があるという眺めがおもしろくて、立ち止まって見とれてばかり。
ところどころ、高所恐怖症の私には怖く感じられた場所も。それが理由ではないが、半周ほどで城壁をおりて、あとは町を散策。
ヨークの町を出たあとは、ハロゲイトへ。途中、道が閉鎖されていて迂回しなければならないアクシデントがあったものの、
なんとか夕方までに到着。この町についてはベティーズのティールームがあるということくらいしか知らなかったが、
行ってみて一目で気に入った。なんとも美しく整備された町で、上品な雰囲気が漂っている。中心の広場にはきれいな花が咲き、
人々が芝生に座って思い思いにくつろいでいた。あとで知ったのだが、ここは高級な温泉町としてバースと並んで有名らしい。
広場の向かいには、かの有名なベティーズ。ガラス張りの外観が美しい。ティータイムには遅い時間でも、お客はいっぱいだった。
席に案内され、絶対にスコーン・セット！と意気込んで注文したら、なんとスコーンが売り切れ。しかたなくティーケーキを
注文したら、バターケーキなのに、さらにその上にバターが塗られて出てきてびっくり。おなかが減っていた主人は、チキンと
キノコのオープン・サンドを注文したら、どこにもチキンが入っていなくて……。でも、紅茶はさすがにものすごくおいしかった。
おなかが落ち着いてからゆっくりメニューを見直したら、これにすればよかったなーというものがいっぱい！ ここにはまた
リベンジに来なければ。もっと早い時間に。
ティータイムを楽しんだあとは、湖水地方へ向かって車を走らせるのみ。といっても、退屈しているひまはない。
ヨークシャー・デールの美しい風景をしっかりと目に焼きつけなければ。緑の丘陵に点々と見える羊、長く伸びた石垣。
どこを切り取っても絵になる風景に、何度も車のスピードをゆるめてもらい、写真を撮った。
●湖水地方
ハロゲイトからロング・ドライブだったが、暗くなる前になんとか湖水地方に到着。今日と明日の宿は、ビアトリクス・ポターが
所有していたことのあるリンデス・ハウ・カントリー・ハウス。静かな宿に泊まりたかったので、ウィンダミア湖から少し離れたここを
選んだのだが、道がわかりにくく、普通の民家らしきところに迷い込んでしまったら、そこの人が親切に教えてくれた。どうやら
よくあることらしい。高台にあるので、部屋からのウィンダミア湖の眺めは最高。インテリアもかわいらしいし、アメニティも充実。
枕の上に置かれているミント・チョコもおいしかった。さて、今夜こそはパブで食事をと思っていたら、また遅くなってしまったので
アウト。フィッシュ＆チップスの店でテイクアウトをして、この窓辺で食べた。付け合わせは例によって山盛りのポテトで、
（今のところまだ）うれしくはあったけれど、さすがに食べきれず残してしまった。もったいないな。
●本日の戦利品
チャッツワース・ハウスのオレンジ温室ショップ（オレンジ温室の一部がショップとして整備されたため、こう呼ばれているらしい）で
購入したガイドブックとクリスマス・カード。ここでも日本語のガイドブックが売られているのかと驚いて購入。カードのほうは今年、
大活躍してくれそう。
ノッティンガム〜シェフィールド〜ヨーク〜湖水地方
